24授業紹介シリーズ11【1年公共】
1年の「公共」では、なじみのある「学校給食」のメニューの変化から私たちの「食」について考える授業が行われています。戦後~昭和40年代までは、日本の学校給食のメニューに米飯はほぼなく、パン、ソフト麺といった小麦を原料とする「粉食」がメインとなっています。それはなぜなのか?そして、その結果、日本の食生活や食料事情にどんな影響を及ぼしたのか?
まず、資料「国民1人当たり・1日あたりの供給熱量の構成の推移」を手がかりに、「日本の食習慣の変化」について考察しています。
各班から出た声を教員が書き出していきます。
その上で、教員と生徒達でやり取りしながら授業は進みます。
(教)「自分で料理する人、手を挙げて?」「卵を使って何を作る?」
(生)『卵焼き』『目玉焼き!』(教室からは「へぇー、あいつ料理するんだ!」という反応も・・・)
(教)「目玉焼き、どう作る?何かこだわりはある?」
(生)「まずフライパンに油を引いて、中火で油で揚げるように!」
(教)「そうか。私は途中で火を消して、水を入れて余熱で蒸し焼きにするのがこだわりかな。」
(教室からは「先生、こだわるなぁ~・・・」という表情も)
(教)「目玉焼きもそうだし、給食のメニューにもあった揚げパン、ハンバーグ、オムレツ・・・こうした料理は油(油脂類)を多く使っているね。もちろん畜産物(肉、卵)も。」
(教)「一方で、みんなは日本料理(懐石料理)と聞いてどんなメニューを思い浮かべる?」
(生)『魚まるごと出てくるみたいな・・・??(教室から笑い声)』『寿司』『鍋』・・・
(教)「なるほど。色々あるかもしれないけど、そういう料理ってあんまり油を使っていないよね・・・。」
(教)「資料からは、油脂類と畜産物が増えているよね。粉食が普及することでこれらが増えたというのはどんな意味があるだろう?」
話は食習慣の洋風化から日本の食料自給率の話に及びます。特に、穀物自給率が低いこと、その主な輸入先がアメリカであること・・・。あれ?前回の授業で戦後日本の学校給食に粉食が導入されていく背後には「アメリカの事情と要求」があったような・・・?詳しく知りたい人はぜひ正則高校へ!