授業紹介シリーズ14 「1年公共」
久々の授業紹介シリーズ。1年公共から、身近な存在である「公園」をテーマに取り上げた授業です。
上の写真とカードは生徒が夏休み課題として地元の公園の様子を調べてきたものです。「誰もが自由に利用できる」公園ですが、「誰もが自由に公園を利用するために、どんなルールが必要であるか?」というテーマについて考えていきます。
「“公園の自由”と“ルールによる規制”」という対立する事柄について、ベンサムやミル、マイケル・サンデルなどの政治思想に触れながら、どうあるべきかをみんなで考えていきます。なかなかアカデミックですね!
そもそも「なぜ人々はルールを守るのか?」ということについても、ミシェル・フーコーの「規律訓練論」にも触れて考えます。社会構造(権力)によって規定されるルールに多くの人は従おうとすること、「異常」とされるものを管理統制していくために、人々はそれを実現する「権力」を積極的に望むことを学びます。その上で、コロナ禍の“自粛警察”などの事例についても考えていきます。「過剰な規制」によって自らが手にしているはずの自由や権利を無自覚に手放していないか、そういうことが進んだ社会はどのような社会になっていくのか・・・、自分達のより望ましい社会のあり方を考えていく契機となれば・・・と授業者は考えています。簡単に答えが出る問題ではなく、とても難しいテーマですよね。しかし、そういう私達の社会や生き方に関わる「本質的なテーマ」について、クラスの仲間とともに学び合っていくことを正則では大事にしています。
さらに授業は、「公園」から「ホームレス」に展開していくようです。日常にある事柄から社会の成り立ちや課題について深掘りしていくのが「公共」の特色です。