2022年度卒業式が行われ、231名が卒業しました
2023年3月1日、春めいた穏やかな天気の下、第75回卒業式が行われました。過去2年は新型コロナ感染対策のため外部の大きな会場を借りて行いましたが、今年度は3年ぶりに本校体育館での実施となりました。卒業生は万感の思いを胸に立派な姿を見せ、厳粛な雰囲気の中にも温かみのある式となりました。
前日の最後の学年集会では、私から「君達の3年間とは、十分ではなかったにせよ『失われた当たり前』をつくり直してきた3年間だった。今までの「当たり前」以上に価値のあるものだったとあえて言いたい。」と伝えました。
正則高校は3年間クラス持ち上がりです。誰一人として同じではないクラスの仲間との関わり合いを通して、自分達の力で「より良いクラス」をつくります。卒業前に8000字にわたり執筆する『自分史』にこう記した生徒がいました。
『3年も同じ人間と一緒にいたら、もちろん好きな面も嫌いな面も見えてくる。昔は人に対して、好きか嫌いかの二択だけだったが、今は「好きだけど好きじゃない」、「好きじゃないけど好き」という矛盾した感情を抱きながらクラスメイトと過ごしている。一面的な人間関係じゃなくて、少し矛盾した人間関係こそが、自分を深く安心させるのだと思った。』
今の世の中、わざわざ面と向かって人と関わることは「面倒なもの」とされがちです。「面倒なこと、だから、必要ない」と。でも、卒業生達は様々な制約がある中でも、3年間の高校生活を通して「生身の人間どうし」として出会い、ぶつかり合い、そして、対話を通じて互いの理解を深め、互いを承認し合ってきました。この積み重ねが、この困難な社会であっても他者とともにたくましく生きていく力になっていくことを願ってやみません。
卒業生の皆さん、本当におめでとう。これからの飛躍を心から応援しています。
3学年主任 糸山鉄兵