【サイクリング部】2022全日本自転車競技選手権大会ジュニア女子ロードレースに出場!
出場権を手にした全日本選手権の本番に向けて、まずは4月9日のチャレンジロードレース大会から2ヶ月半、部員達とのミーティングを経て出てきた課題をまとめました。
それは何より登坂力の強化と部員同士の競争意識でした。昨年の冬から春にかけて、走行距離の大幅な増加は達成されました。それは今後も向上させながら、登坂練習を毎週日曜日に行うことが新たな取り組みとなりました。
具体的には
<1>コースは可能な限り自動車の通行が少なく常に同じであること
<2>安全確保のため1回の練習には7名以下で行うこと
<3>選手達と伴走の教員同士は無線機で常に連絡が取れること
以上を確実にして、埼玉県の飯能市周辺の道路を利用して実施してきました。選手達は現地に電車で移動し、コーチが選手達の機材等をレンタカーを利用し現地まで運搬することで、安全を確保してきました。
土屋さんは、ほぼ毎週男子部員と一周20Kの山道を2周以上走りました。
また、コーチ個人所有のトレーニング機材を練習に導入し、学校における練習も改善してきました。
そのような、準備を積んで土屋さんは全日本選手権に臨みました。大会前日の練習後のミーティングでは、感極まり、涙ながらに大会に向けての決意を誓いました。
土曜日のライセンスコントロール(受付)に合わせ8時半発の新幹線で京都に向かいました。
滞りなく、ライダーズミーティングを終え、コースチェックを行いました。ポイントとなるところや、危険な箇所を丁寧にチェックし、夕方4時過ぎから実走練習を行いました。
移動の疲れはあるものの、すっきりとした気持ちで前日練習を終えることが出来たようです。日曜日のレースは8時スタートの為、3時間前には朝食を済ませたいところです。起床時間を確認して早目に就寝しました。
そして、日曜日ニュースによれば、東京は35度越えを記録したようですが、京都府美山は25度を下回る快適な朝となりました。
タイトなスケジュールの為、あっという間にスタート前チェックの時間となりました。スタート10分前には全員がスタートラインに揃いました。
正則高等学校の白いジャージ姿の土屋さんを目にして、思わず胸が熱くなりました。
ここまで来るとスタッフにできることはほとんどありません。選手を信じてただ待つことだけです。
1周10キロのコースを3周回するレースは定刻通り8時にスタートしました。
チャレンジロードのような急激なアタックで始まることなく、序盤は動き出しも緩やかに始まりました。ところが、コース後半の下り区間で落車が起きたとのアナウンスが伝えられました。
ゼッケンは不明とのこと。下りでは時速70キロに迫るスピードに達する為、緊張感が一気に高まります。コース反対側にいるコーチと無線連絡を続けながら、土屋選手の無事を祈ります。先頭からはかなり離されながらも、無事ホームストレートを駆け抜け2周目に土屋選手は突入しました。
しかし、ほっと安堵するのも束の間、今度はタイムアウトの時間との闘いです。今回は1ラップ中に3ヶ所もの関門が設けられており、6位集団が通過後、僅か2分で失格となってしまいます。
そしてレースも半分に近づく頃、消え入るような声で無線が入りました。
「先生、聞こえますか?すいませんタイムアウトになりました。」
身体の無事を確認し、現場に回収車を走らせました。現場に到着し、彼女を車に乗せ、全日本選手権が終わったことを実感しました。
選手駐車場に戻ると、そこには土屋さんの保護者以外にも、主将前川君とその家族まで待ち構えていました。
全日本選手権のスタートラインに立つことをチームの目標にしてきました。それは充分に達成されました。しかし、まだまだ全国との差は大きいことも実感させられた京都遠征となりました。
土屋さんを含め3年生4名の現役としての活動は、7月末まで続きます。期末試験明け翌日には部員17名が参加予定のツール・ド・ニッポン筑波大会に出場します。更なる成長を期待します。
最後になりましたが、引率に同行して下さった保護者の方々に心から感謝致します。また、万全の状態でレースに臨めるように送り出してくれた学校関係者の皆様にも感謝致します。ありがとうございました。これからもサイクリング部の応援をよろしくお願い申し上げます。