【バスケット部活動日記2021 特別連載秋NO7】佐賀県代表チームが正則にやってきた!…の巻
突然ですが、12月23日から「ウインターカップ」が開催されました。そのウインターカップと正則高校の関わりについて記すならば、会場もしくはテレビなどで観戦するものというのが、これまででした。しかし今年は例年とは大きく異なることがありました。
それはウインターカップに佐賀県代表として出場している「佐賀北高校」の男女チームが正則に来校して調整練習をするという機会があったからです。
なぜ来校することになったのか?というと…正則高校バスケット部の男子部コーチと佐賀北高校の監督さんが元チームメイトという間柄で、東京での練習会場として正則高校の体育館を貸してほしいという依頼が入ったことから実現したわけです。
当日は一日バスケット部で体育館をおさえ、午前中を佐賀北高校の調整練習、午後から正則高校が練習という日程でしたが、勿論、佐賀北高校の練習を正則高校の選手達は見学に来ていました。故に、ウインターカップが正則高校の選手達にとってすごく身近に感じられる時間となったのではないかと思います。
さて、佐賀北高校の調整練習の様子は、というと…さすが県代表!といったフィジカルの強さや個々人のスキルの高さが随所に見て取れましたが、それ以上に目を引いたのは、男女ともに選手達が同じ方向を向いて練習に取り組んでいる姿でした。
佐賀北高校は男女ともに決してサイズのある、いや…サイズのあるなしだけを述べれば、特段サイズのある選手はいませんでした。つまり小さいチームでした。しかし、だからこその戦い方を選手一人ひとりが本当によく理解していることが、練習は勿論ですが、準備から後片付けといった練習につながる全ての行動にもあらわれていて、隙のなさを強く感じました。そうした意味で、チームとして「ナイスプレー」の基準が明確に一致していて、決して個々人の出来の良し悪しによって勝敗が左右されるチームではないことに、佐賀北高校が県代表となる所以があるのだと思いました。
前回の活動記で、今のチーム状況、とりわけ男子部の状況は、チーム内の基準がバラバラで、まさに「どん底状態」と記しました。そんな彼らにとって、佐賀北高校の選手達の姿とは、果たしてどんなふうに映ったのか…大変気になっていました。
その答えは、午後からの練習風景ですぐに見て取れました。
彼らは、佐賀北高校の選手達を「スゲェ〜」と眺めていたわけではなかったようです。どうやら(佐賀北高校の選手達と比べて)自分達の出来ることの少なさを改めて自覚したことは勿論ですが、それ以上にチームバスケットを機能させていくために、今の正則高校バスケット部には何が欠けているのかということを佐賀北高校の練習風景から感じ取っていたようです。
そんな選手達は、コートの中で「ナイスプレーの基準」を合わせいくために多くの言葉を交わすようになっていました。故に、全く別のチームが練習をしているかのような景色が体育館には広がっていました。
これまでとは全く異なるチームの姿を前にして…ようやく「スタートライン」に立つことができたなと思いました。
■ 佐賀北高校女子の練習風景
フットワーク、ファンダメンタルドリルといったルーティーンワークをテキパキと的確にこなし、その後、様々なシュチュエーションを選手各自が想定したシューティングに取り組んでいました。
見学していた正則の女子部の選手達は、(佐賀北高校の選手達の)パススピードの速さと正確さ、さらにはシュートのアーチの高さに驚いていました。
■ 佐賀北高校男子の練習風景
相手とのコンタクトプレーに重点を置いたフットワークやファンダメンタルドリルをこなし、その後は対戦相手の特徴を分析した上でのオフェンス、ディフェンスの戦術を繰り返し確認していました。日常の練習メニューというよりも応用的な内容なのではないかと思いましたが、佐賀北高校の選手達の適応能力の高さに驚きました。とは言え、やはりチーム内で「ナイスプレー」の基準が一致しているからこそ選手達は察しがつき、さらには理解することができるのだろうと感じました。
【編集後記】
佐賀北高校の選手達を出迎えた時に、間近に見える東京タワーを目にしてさぞかし驚き、わーきゃーリアクションがあるだろうと期待していたのですが…ほぼノーリアクションでした。
そんな選手達の様子について、「東京タワーを見てびっくりするかなぁ〜なんて思っていたんですよ」と、監督さんに話したところ、東京に着いた当初は、さすがにちょとはしゃいでいたとのことですが、ウインターカップ開幕と同時に、選手達は「試合モード」に切り替わったそうです。
要するに、佐賀北高校の選手達からすれば「東京タワーどころじゃない!」という心境だったようです。故に「東京タワーを見たらきっと喜ぶだろう、はしゃいで写メ撮りまくるんだろなぁ〜」なんて想像していた自分がちょっと恥ずかしくなってしまいましたが、「でも…(正則高校の校庭から、あんだけ)間近に東京タワーを見たら普通はしゃぐでしょ!」と思ったりもして、なんだか複雑な気持ちになってしまいました。