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2021.08.27
部活動

【バスケ部活動記2021】第11話 最終回「高校からバスケット始める…の巻」

まずは昨今のクラブ活動などを取り巻く状況について記します。

コロナ禍の急速な拡大にともなって…これまでは生徒本人が「PCR検査」となった時点では、関係している個人や団体を留め置くことはしていませんでしたが、夏休みは(関係している個人、団体も)大事をとって留め置き、保健所の判断をもとに活動の可否を判断していく措置を学校としてとっています。

同時に活動時間を2時間に制限し、生徒たちの接点を極力コンパクトにする感染対策措置もとってきています。その甲斐あってか、今のところ、本校では大事にいたることなく活動を維持することができています。とは言え、時折バスケット部でも(大事をとって)急遽活動停止となることもありましたが…すぐに活動を再開することができました。
しかし今後も予断を許さない状況は続くので…引き続き感染予防を徹底しつつ、可能な限り活動を維持していくことができれば…と思っています。

さて、今回で「特別連載企画」は最後となります。最後を飾るネタを何にしようかと考えましたが、すぐに「高校からバスケットを始めた選手」に注目しようと思いつきました。
それでは話が横道に外れていく前に(笑)さっそく本題に…



正則高校バスケット部には、高校以前からバスケットをやっていた、所謂「経験者」だけではなく(決して多くはありませんが)これまで本格的にバスケットをやったことのない「未経験者」も何人か所属しています。
その中の一人で、(練習風景に登場の)副将を務める2年生の選手も高校からバスケットを始めました。彼は中学では野球部だったそうですが、「(野球も楽しいけど)バスケの方が楽しそうじゃん!」といった好奇心にも似た思いからバスケット部の門を叩き入部してきました。

正則高校では、生徒諸君のやりたいことを何の根拠もなく妨げたり、制限したりすることはありません。勿論、生徒諸君がやりたい!と言い出したことなら、なんでもOKというわけではありませんが、一切聞く耳をもたないということもありません。

その上で、バスケット部は「来るもの拒まず、去る者追わず」というのが部の方針でもあり、経験、未経験問わず入部希望は全て受け入れてきました。故に、彼のように「楽しそうじゃん!」なんて理由であっても(最初は誰だって多かれ少なかれそうした理由から始めるものだろうとも思うので)全く問題ありませんし、むしろ真っ当な理由だと思います…
などと、もっともらしく記していますが、とりわけクラブの入部の可否について、制限なんて特にないといったことは、何も正則高校に限ったことではなく、他校でも同様のことかと思います。
とは言え、経験者に混じって、未経験者がどこまで活動を同じとしていくのか、ということになると…それぞれのチーム事情による違いがあるのではないかと思います。

正則高校バスケット部では、未経験者を経験者と分けて練習する…ということは一切ありません。全く同じことに取り組みます。故に(当然のことですが)「わからない、できない、ついていけない」という三拍子が、未経験者の姿にはありありと映し出されます。しかしその三拍子をコーチは決して責め立てることはしません。
むしろ未経験者が自分の目の前に広がる「三拍子」と、経験者との圧倒的な「距離(差)」をどう攻略し、縮めていこうとするのか…そのことに注目をしています。



高校バスケットは実質「2年間」といっても過言ではありません。そうした中で、高校からバスケットを始めた選手が、経験者に追いつく、さらにはそれ以上となっていくためには、(未経験者に限ったことではありませんが)何事にも「主体性」を持って取り組んでいくことが最も必要とされることだと思います。
故に…コーチは数多くの「ヒント」を、選手たちに(それこそ手を替え品を替え)与えてくれていますが、「答え」を伝えることは滅多にありません。そのことは、未経験者にたいしては特に顕著で、それこそ未経験者には考えるための「ヒント」はいくらでも伝えますが、「答え」を伝えることはまずありません。同時に、コーチは選手たちのコミュケーションを非常に重要視しています。その結果、毎年選手同士が明確な基準をもって(私的な関係性に影響されることなく)互いを率直に評価し合っていく環境が(多少の差異はありますが)作られていると思います。そして、そんな要素が「化学反応」をおこすようになると…(コーチの言葉を借りて表現するならば)勝手に上手くなります。

そうは言っても…未経験者からすれば、最初こそ意地悪をされているかのように思うかもしれません。しかし的確なヒントをもとにチームメイトの存在を正しく認識し、そして参考としていくことで、自分自身の基準を書き換えていくからでしょう…上手くなった、理解できるようになった、そんな(自分自身の)「変化」を自覚できるようになっていきます。すると…「バスケ、めっちゃ楽しい!」「もっと上手くなりたい!」といった単純明快な、しかし最も重要な「モチベーション」が確かな形となって作られていると思います。

スポーツの語源には「遊び」という意味があるそうです。つまり「遊び」であるスポーツとは、そもそも楽しくなければ、上達しないものなのかもしれません。
少なくとも、バスケット部の選手たち、とりわけ高校からバスケットを始めた未経験の選手たちに見て取れる「変化」には、スポーツ本来の語源的要素がたくさん含まれているのではないかと思います。

【練習風景】
バスケットで必要とされるファンダメンタル的なスキルは、今や経験者並みに遜色なくこなしています。
 

入部当初は(特に切り替えをともなう)ダッシュに、本当に苦労していました。本人曰く「走るのはとにかく嫌!」ということもあって…なおのこと苦労していたようですが、決してサボることがないので、今では(得意というわけでも、ましてや好き好んでというわけではないと思いますが…)よく走るようになりました。

彼には1年生の「お弟子さん」がいます。「お弟子さん」ができたのは…「師匠」と1年生が言い出したから…というわけではなく、気が付いたら「お弟子さん」となっていたようです。

 

そのお弟子さんに、練習後「稽古」をつけているシーンです。ちなみに、師匠として稽古をつけることができたシーンもありましたが、残念ながら(稽古を)つけられているシーンもありました(笑)そんな師匠ではありますが…1年生は、今のところ「お弟子さん」をやめるつもりはなさそうです(笑)



コーチが練習の総評を選手に伝えているシーン。選手たちは、顧問の話はあまり聞いてくれませんが(笑)コーチからの話は本当によく聞いています。
1年生の頃の彼は、総評後コーチによく質問をしていました。そんな様子から「どうりで、できることがどんどん増えていくわけだ!」と感心しつつも、つい「授業でも…」なんて思ってしまうことが…なんて記そうかと思いましたが、余計なこと…と言うより、彼は学習も頑張るようになったので、コメントはとめておきます(笑)

最後に…彼は練習中に「ヨッシャー!」とか「ヒュー!」といった雄叫びやリアクションをよくします。(チームメイトのナイスプレーにも大きなリアクションします)そんな様子に、時折チームメイトからは「うるさいなぁ」と言われたりしています。
顧問も他の選手同様に思うこともあるのですが、最近ふと、彼の雄叫びやリアクションとは、ある意味必死になってやっていることの裏返しなのではないかと想像しました。彼は、確かにできるようになったことがたくさんありますが、それでも経験値的な面で、「まだまだ」のところもあります。
故に、上手に抜いて良い(良い意味でサボる)といったことがわからず、何事にも全力で取り組みます。つまりは何事も必死になってやっています。必死にやっているからこそ、「上手くいった!」「できた!」といった瞬間に思わず声をあげてしまっている。
そんなふうに見えなくもないな…と勝手に想像しましたが、ちょっといいように考え過ぎた気もしました(笑)ちなみに失敗すると、彼は「やば!」と言っています。今のところ…練習中に発するリアクションは「雄叫び」よりも、若干「やば!」の方が多いかもしれません(笑)

■ 編集後記
今回で特別連載が最終回となりました。稚拙で読みにくい文章に加えて、誤字脱字などもあり、本当に恥ずかしい限りですが、少しでも正則高校バスケット部の、さらには正則高校の「校風」が伝われば、幸いです。
今後も連載を続けていきたいと考えていますが、とりあえず…夏休みの活動記は今回で一区切りとしたいと思います。ありがとうございました。

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