【バスケ部活動記2021】第10話 「チームに欠かせない存在…の巻」
前話の編集後記で予告しました「マネージャー特集」をお届けしたいと思います。唐突ですが…「マネージャー」と聞くと、皆さんはどんなことをイメージをされるのでしょうか?
陰でチームを支える「縁の下の力持ち」的な存在、もしくは「雑用係」や「お世辞係」といったイメージでしょうか…確かに、マネージャーはそうした役割を担っている面もありますが、「受身的に…」ではなく、「主体的に!」といったことが、正則高校バスケット部ではキーワードとなっています。
故に、部のマネージャーとしての役割は明確に決まっていません。選手、チームにとってプラスとなることをマネージャーという立場から考え(判断)、取り組んでいくことが役割だと位置づけているからです。
つまり、単なるお世話係や雑用係ではなく、チームの「マネージメント」をするマネージャーとなっていってもらいたいということを目標としていますが… 現在、1年生の女子生徒2名が男子部にマネージャーとして所属しています。しかし男女合わせてバスケット部ということもあり、メインは男子部ですが、臨機応変に女子部の手伝いもやっています。二人とも中学時代は文化部に所属していたそうですが、高校から新たなことにチャレンジしたいということで、バスケット部のマネージャーとしてチームに加わることとなりました。
入部当初は不慣れな運動部ということもあって、何をすればいいのか、どうしていればいいのか…察しもつかず、困惑する日々のようでした。勿論、わからないことについては顧問、コーチ、さらには上級生がちゃんと教えますが、先にも記した通り、元々マネージャーの仕事や役割というものが明確にあるわけではないので、なおさら「自分たちは何をしたら…」となっていたようです。
そんなマネージャーたちは、コーチから「自分で考え、(選手、チームにとって)良いと思うことは積極的にやってみなさい。たとえ上手くいかなかったとしても、それをもって責めたりはしないよ」と、よく声をかけられていましたが…とは言え、言わんとしていることは何となく理解できても、実際にやってみることは、それほど容易なことでもないと思いますが…二人は既に「マネージャーのコツ」をある程度つかんでいるように思います。
コーチの意図していることをしっかり汲み取り、選手たちともよくコミュニュケーションを取って、何事にも「先回り」をしようとします。故に(選手やチームのことを考え、動いているからでしょう)選手たちに「お小言」を言う場面もあります。そのうち選手だけでなく、顧問も「お小言」を頂戴することがあるかもしれません(笑) そんな「マネージャー」は、今やチームにとって欠かせない存在となっていることは間違いないと思います。
【マネージャー その1 】
練習開始前にドリンク用、アイシング用の氷を準備して、ドリンクを作ります。一応に選手たちにドリンクの味(濃さ)についての好みを聞き、それを参考にして、作っているそうです。
練習中だと…なかなか選手がドリンクを補充することができそうにないことから、マネが補充するようになりました。
対人練習で他の選手とぶつかるといったアクシデントなどで(大事をとって)練習から外れる選手がいると…すかさず「テーピングの練習させてください!」とマネージャーが声をかけたりします。
基本的には練習中に記録をとったり、練習の補助をしていることがメインなので、必ずというよりは、自分たちの身体があいたらといった感じでテーピングにも取り組んでいます。テーピングに取り組んでいるのは、マネージャーが巻けるようになりたいと考えた結果です。
今回は指のテーピングの練習をしています。ちなみに何度やっても上手くできない箇所もあって、時折テーピングを持ち帰り、ご家族に協力をしてもらって練習することもあるらしいです。と言え、まだまだ勉強中とのことで、テーピングはなかなか難しいらしいです。勿論、巻き方やコツなどについては、コーチからも教えてもらえますが、やはりコーチのメインは練習をみることなので…「YouTube先生(笑)なんかも、上手く利用するといいよ」とアドバイスされていました。すると、「なるほど❗️」といったリアクションでした。テーピング自体、その存在を知ったのも、ましてや扱うのもバスケット部に入ってから…ということもあり、思いつかなかっとようです(笑)
【マネージャー その2 】
コーチからの練習中のアドバイスや練習ドリルの結果を記録しています。この他にもフォーメーションなどの練習を撮影したりしています。それらを定期的にまとめて、チームのLINEグループに発信して選手たちに伝えてくれています。
「練習でやっていることが選手たちの中にちゃんと残る(積み上がる)といいなぁ」とコーチがいっていたことから、マネージャーが上記したようなことに取り組み始めました。
練習補助です。マネージャーの「ご〜、よ〜ん、さ〜ん、に〜、いちぃ〜❗️❗️」というカウントの声が、一番体育館に響きます。選手も見習うべきだと思います。
選手にプロテインを練習後すぐ摂取させるので、マネージャーは必ず練習終了時間の目安を確認してきます。また、マネージャー考案の「プロテインダッシュ※プロテインダッシュの意味がわからない方は、第9話の編集後記をご覧ください」のおかげで、シェーカーが全員そろうようになりました(笑)
■ 編集後記
基本的には「しっかり者のマネージャー」ですが、それでもちょっと抜けている姿も見かけたりします。
ドリンクやアイシング用の氷は保健室に取りにいくのですが、ある日の練習で、(マネージャーの)到着が練習開始時間ギリギリとなったようで、自分のカバンを持ったまま、慌てて保健室に氷を取りにいったら、(自分の)カバンだけ保健室に置き忘れていったり、また、別日の練習では、練習開始から1時間ほど経って「寝坊しました。すみません」と連絡が入りました。
その連絡に「なんと人騒がせな!」という意味を込めて「無事ならよかった」と、(ホッとしながら)返信したりと…マネージャーさんたちもやらかすことがあります。とは言え、「非の打ち所がない」といった完璧タイプではなく、少々抜けているところもあるから、選手たちも気軽に接することができているのではないかと思います。
ちなみに寝坊の件についてのやり取りは…誰にでも時には意図していない形で遅れてしまうことだってあると思うので、(決して褒められたことではありませんが)それだけをもって、顧問も、コーチも、選手たちを責め立てることはしません。何なら(本人がちゃんと反省しているなら)「ドンマイ」くらいのことも言います。
そもそも、顧問も、コーチも、選手たちの練習参加の基準が、遅れたり、休んだりしたら(顧問、コーチから)怒られるから…となってほしくないのでコロナ禍以前は「無断」はないようにとしつつ、出欠管理自体を選手たちに任せていました。しかし昨今のコロナ禍の拡大にともない、出欠確認は(チームの連絡用LINEグループを使って)顧問が集約するようになりました。
選手たちもその主旨を理解していることもあり「音沙汰なし」となる選手はこの間誰もいなかったこともあり、練習開始から1時間ほど「行方不明」となっていたマネージャーを大変心配していた…故に「無事で何より」と返信した次第です(笑)
ちなみに大遅刻となりましたが、練習に無事やってきました。 最後に、「マネージャーとしてのやりがい」について二人に聞いてみたところ…即答で「選手たちから『ありがとう』と言ってもらえることです」と言いつつ、「でもそんな気の利いたこと、(選手は)滅多に言いませんけどね」と笑っていました。